椅子をみな張り替えたんや。今度は青色もあって・・
と、嬉しそうに話してくれたのは、2代目オーナーの太郎さん。
「長年使うと椅子もだんだんヘタってくるから、10年ごとくらいに変えないかん。また10年、これで頑張らなあかんと気合い入っとるところや。やっぱりお客さんにはゆっくり寛いでもらいたいやん。」
サイフォンで淹れるコーヒーもいいけれど、
1度で40杯作れて、捻ったらいつでもコーヒーを注げる。
このアーンを使用してきたのにはエデンらしい理由がある。
「30代の頃、品質管理の仕事をしてたことがあって、3年くらいはサラリーマンをやっていた。残業がすごくて、お給料はちゃんともらえるけど、激務。親父がこの店しとったから、俺もなんかしよかなーって、寿司屋とか居酒屋とか。相談したら、そいつはやめとけって言う
ねん(先代が)。自分のペースを淡々と保てる、こいつが一番ええんやと。」
訪れるお客さまに代わる代わる「太郎さん太郎さん」と話しかけられるオーナー。
いかにお客さまと地域に愛されてきたか、そしてお客様がここで過ごす時間をどれほど楽しみににしているか、ということがひしひしと伝わる空間。
お客さんに頼まれたら、ミルで引いたコーヒーを販売することもあるのだそう。お盆の時期なんかは、しばらく地元を離れる人の手土産に喜ばれるという。エデンのことを知っている相手への贈り物だと、尚更なんだそう。

お店の歴史
先代がこの地で喫茶店を始めてから、今年で創業71年目。
先代は元海軍の人で、その弟さんは陸軍出身だった。
だから2人は仲が悪かったのだと言う。
結局、先代が亡くなってから、弟さんは80歳を回って初めてこの店へやって来て、コーヒーうまいうまいって喜んだのだそう。
太郎、二郎、三郎、四郎と男兄弟がいて、全員だと9人。
オーナーの太郎さんは現在65歳だそうで、ゆくゆくは、名古屋でサラリーマンをしてる四郎さんが、定年したらこの店を継いでくれると家族会議が行われているという。
「大晦日と正月は親戚がここに集まるねん。そやから、その二日だけは営業休み。みんなここが実家同然の場所やから。」

お勧めメニューの紹介
12時まではモーニング。
午前中のうちやったら、モーニングやろ?とお客さんにリクエストされたんだそう。
「バターなんかも高なってきて、マーガリンに変えたら?って言われた事あるけど、うちは絶対それはせーへん。バターが使えんようなったら、店閉めるわ。」と。
人気はモーニングのミックスサンド。柔らかくしっとり、ほんのりとした甘さのパンに挟まれて、バターの塩気と薄焼き卵、フレッシュ野菜のハーモニーは、誰もが知っている安心の美味しさ。
コーヒーは、ガツンと重たい苦味、酸味も感じられる、
まさにタバコを片手にしたお父さんが好きな、そんな滋味深い味わい。

お店のPRポイント
最近は地域の人のみならず、東京や海外からのお客様も増えたんだそう。
挨拶くらいできたなと思いつつ、英語が得意な常連さんに頼んで「どっから来たか」尋ねてもらうんだそう。
老舗純喫茶というと、難しい顔をしたマスターがコーヒーを淹れているようなイメージがあるかもしれないけれど、その点喫茶エデンは全く違う。メニューの美味しさもさることながら、オーナー太郎さんの人柄が、長年この地で愛されてきた秘訣なんだろうと思わせられるお店です。






喫茶エデン
- 所在地
- 神戸市兵庫区湊町4丁目2-13
- 連絡先
- 078-575-2951
ご不明な点があれば、直接お店にお問い合わせください