次から次とお客さんが入ってきて、
お店の方がテキパキと動き回る…よくあるお蕎麦屋さんの昼下がりの光景。なんとなく眺めている限りだと、時折電車の通過音が聞こえなければ、ここが路面店でなくて、阪急神戸三宮駅の高架下、しかも2階にあることを忘れそうになります。 お店に入った時から、そこはかとなくすでにスパイスの香り。ご家族連れ、会社員風の方、老夫婦、色んなお客さんが店内に。馴染みのお客さんと親戚のようなあたたかい会話を交わし、入ってきたお客さんには「案内するから、ちょっとお待ち下さいね」、一人じゃなければ「ここに並んで座ってね」と、全てが「美味しいものを、その瞬間を大切に味わって、美味しく食べてほしい」という気持ちから。そばもうどんも、美味しい瞬間があって、そこに料理を出す側も食べる側も集中して向き合う。今日もちゃんと、美味しいものを食べた、と一杯のそばからしみじみ感じる、そんなお店です。

お店の歴史
昭和27年創業。当時は今の場所では無く、南側のセンタープラザのあたりに有りました。「信そば 長野屋」、屋号は、お店の創業者で先代の出身地、長野県(志賀高原)から取りました。今の高架下に移ってきたのは、昭和35年。 推薦して頂いた方のお勧めに上がっている「カレーそば」は、創業当時から有ったのですが、うどん圏である関西、その頃はカレー「うどん」が主流でした。が、昭和40年頃から、なぜだかは分かりませんが、そばが主流になってきて、現在に至ります。 昭和40年代といえば、高架下が「楽天地」と呼ばれて、ダンスホールなどもあった華やかな時代。創業から67年、相変わらずお店から三宮界隈の移り変わりを見つつ、今日も昔ながらのお品書きと、変わらずまっすぐに美味しい料理が、暖簾をくぐる向こう側に待っていてくれます。

お勧めメニューの紹介
カレーそば1人前:850円(税込)
トンと目の前に置かれた丼、軽くプルっと揺らぐ中のカレーの表面には、くるんとソースの輪。よくあるカレーうどんカレーそばよりも、少し固めのカレーあん。あんの下には色白細めのそばがカレー色ときれいなコントラスト。慣れないと少し戸惑う人もいるという、カレーそばの食べ方のコツは「カレーとそばを混ぜるのではなくて、なじませて食べる」ことだそう。下のほうにいるそばをお箸で手早く優しくほぐしながら、カレーあんをそばとしっかり絡めてなじませてズズっと。シッカリと出汁の味と香りを感じていると「辛くないのに何故か辛い」スパイスのパンチが効いたカレー味がちょっと遅れてやってきて、細めのそばが間を絶妙にエスコート。美味しくて夢中で食べていると、ジワジワと芯からあったまる。食べ終わった瞬間、ピリピリスパイス感を出汁の味が穏やかに締めてくれ、絶妙にもう一杯食べられそうな気分に…ちゃんと美味しい出汁は魔法をかける、そんな感じがします。

お店のPRポイント
メニューを前に、あれこれ悩むお客さん、店に入るなり開口一番「いつもの○○ねー」と常連さん。それぞれ「美味しいもん食べるぞ」と向き合っている顔。さりげ無い声掛け。絶妙のタイミングで出てくる、おそばやおうどん。美味しいものに、ちゃんと向き合う、美味さに背筋が伸びるお店です。 全席禁煙。また、お昼時、混雑時は相席をお願いしております。

信そば 長野屋
- 所在地
- 神戸市中央区北長狭通1-32-15 三宮高架下商店街2F
- 連絡先
- 078-331-7356
ご不明な点があれば、直接お店にお問い合わせください